榊原 杏奈

“じまんのママ”で働ける社会をつくりたい
榊原 杏奈
株式会社ママクリエイターラボ
代表取締役
自身の出産と育児を通じて、働きたいのに働けない母親たちの現実に直面した榊原社長。「もっと自分らしく、誇りを持って働ける社会をつくりたい」という想いから起業を決意。育児と仕事の両立に悩む女性たちの声に耳を傾け、共感と実行力で支援の仕組みを構築。ママたちが自信を取り戻し、社会とつながりながら活躍できる道を照らし続けている。
経歴
1981年 神戸生まれ。大学卒業後は百貨店へ入社。正社員として14年勤務。年間7億円売上の売場マネジメント担当。1000以上の企画構築、店舗VMD担当、マーチャンダイジングやマーケティングに精通。ライフスタイル含め家庭も育児も楽しめる社会への実現に向けて、女性向けの就労支援に取り組んでいきたいと考え、株式会社リエイターラボを創業。
何度つまずいても、自分を諦めなかった
私はこれまで、数えきれないほどの「挫折」を経験してきました。高校受験では第一志望に落ち、公立高校へ進学。大学受験では10校受験して合格はたった1校。就職活動も氷河期で、30社以上受けたうち29社に不採用でした。唯一内定をいただいたのが、百貨店のそごうでした。
入社後は、早稲田や慶応出身の同期に囲まれ、強いコンプレックスを抱いていましたが、それが悔しくてたまらなくて、負けたくない一心で仕事に打ち込みました。全国転勤を経てマネジメント職に就くことができましたが、出産・育休から復帰したとき、元のポジションには戻れませんでした。その時は本当に絶望の淵に追いやられたのです。
「子どもがいることで、自分の能力が正当に評価されない」。その現実が悔しかったんです。私は、子どもがいても、能力で認められる人間でありたいと思っていました。
出産を機に一度はキャリアを手放した私が、もう一度社会とつながって働く未来を思い描けたのは、ある会社との出会いがきっかけでした。
その会社では、ママたちが子どもを育てながらも、生き生きと働き、責任ある仕事を任されていました。会議中に赤ちゃんの泣き声が聞こえても、誰もが自然と受け入れているその空気に、私は衝撃を受け、そして深く感動しました。「こんな働き方があったんだ」「私も、私のような境遇の女性たちも、もっと可能性を持てるはず」。そう確信したとき、私の中に灯ったのは“自分たちの手で、ママたちが輝ける場所をつくりたい”という想いでした。その想いが、ママクリエイターラボの原点です。

“じまんのママ”で働ける社会をつくりたい
私が経営するママクリエイターラボは、出産や育児で一度キャリアを離れた女性たちが、再び自信とスキルを取り戻せる場所です。現在は正社員が4名、業務委託を含めると380名ほどが関わっています。
私は、「じまんのママで働ける社会」を本気で実現したいと思っています。だからこそ、スキル以上に“人間力”を重視しています。私たちには12段階の「クレド(信条)」があり、それを社員も業務委託メンバーも共有しています。このクレドに合わない方とは一緒に仕事をしません。それが組織の文化を守る大切な指針になっています。
業務の中心は、動画制作やWeb制作などのクリエイティブ業務です。行政からのスクール受託、企業広報の支援なども行っています。私は「育てるだけでは終わらない。自立できる出口までしっかり伴走する」ことに、強い覚悟を持って取り組んでいます。

“じまんのママ1万人活躍社会”の実現へ

今後の目標は、「じまんのママ1万人が活躍できる社会をつくること」です。2026年以降は全国展開を目指し、行政連携によるスクール展開や、人材紹介事業の本格化も視野に入れています。
今、日本には育児などの理由で働けない女性が53万人もいます。その中の1万人が、自分の力でキャリアを築ける社会を実現したいと本気で思っています。
私自身が、育児とキャリアの狭間で悩んできたからこそ、同じような女性たちの力になりたい。これまでのすべての経験が、今の私の原動力になっています。
学生であるあなたへ
まずは動いてみてください。素直にアドバイスを聞いて、一歩踏み出してみることが大切です。
環境を変えることで、人は本当に変わります。自分が「こうなりたい」と思う人の元へ、自分から飛び込んでいってください。
私もずっと、自分の殻を破ってきました。だからこそ、あなたにもできると信じています。
「カバン持ち」で得られる体験
私の「カバン持ち」として参加してくれる学生には、こんな体験をしてもらいたいと考えています。
・行政委託スクールの運営現場に同行し、事業の舞台裏を知る
・展示会や顧客開拓など、営業のリアルな現場に立ち会う
・社内メンバーとの打ち合わせや意思決定の現場を体験する
・ママ向け広報コンテンツ制作シーンをご覧いただき、社会課題への理解を深める
・経営者としての考え方やマネジメントの哲学に触れる
・テレビ出演に同行して情報発信の仕方を学ぶ
単に作業をするのではなく、「なぜこの事業が存在するのか」「どうすれば人の人生を変えられるのか」といった本質に触れてほしいです。
会社概要
会社名
所在地
代表者
事業内容
株式会社ママクリエイターラボ
兵庫県神戸市中央区磯上通4丁目1-14三宮スカイビル7階
代表取締役 榊原 杏奈
・在宅クリエイター育成スクール事業
・Web制作事業(HP・YouTube動画・LINEなど)
・オンラインWEBサポート
・女性向けキャリア支援(キャリアコンサルティング・コーチング)
設立
従業員数
Web
2022年8月
4名(業務委託380名)
株式会社ママクリエイターラボは、出産や育児などで一度キャリアを離れた女性たちが、もう一度自分らしく働ける社会を実現することを目指し設立された企業です。
クリエイティブ領域(デザイン・動画編集など)に特化し、スキルアップ講座や在宅での業務機会の提供、コミュニティ運営などを通じて、個々の「得意」を仕事につなげる支援を行っています。
ママたちの「働きたい」という意欲に寄り添い、家庭と両立できる柔軟な働き方を後押しすることをミッションに、地域や企業との連携も広がっています。



